やってはいけない!
「中小企業の事業承継」シリーズ<その11>
事業承継に活用する役員退職金のメリット
~税務否認されないための準備~
~税務否認されないための準備~
一般社団法人事業承継協会認定 事業承継士 渡邊 司
事業承継の視点から見た、役員退職金の3つのメリットとは
① 否認されない範囲で役員退職金を支払うことで、税務上損金となり、自社株の評価額を低下させることができ、後継者に株式を移転する際に贈与税の負担を軽減できる
② 社長個人が受け取った退職金で、セカンドライフを考えることができる。
③ 退職金の使い道がないなどの理由で退職金を受け取らないという社長も、一旦、退職金を受け取り、会社のために社長個人として社屋の立替や工業を建設し、会社に貸し付けるなど、退職金を不動産に変えることにより、相続税や遺留分対策をする。
① 否認されない範囲で役員退職金を支払うことで、税務上損金となり、自社株の評価額を低下させることができ、後継者に株式を移転する際に贈与税の負担を軽減できる
② 社長個人が受け取った退職金で、セカンドライフを考えることができる。
③ 退職金の使い道がないなどの理由で退職金を受け取らないという社長も、一旦、退職金を受け取り、会社のために社長個人として社屋の立替や工業を建設し、会社に貸し付けるなど、退職金を不動産に変えることにより、相続税や遺留分対策をする。
税務否認されないためには!?
税務否認されないためには合理的な説明ができる退職金額の根拠が必要で役員退職金規程の整備は不可欠です。
更に、実質的に退職している事実が必要で、みなし退職では否認されることとなります。退職金を支給する際には、非常勤役員等への登記変更、株主総会による退職金支払いの議決、議事録の作成が必要となります。
退職時には、役員報酬の50%以上の減額や非常勤役員等への登記変更なども併せて行う必要があります。
1億円を超すような高額な役員退職金となる場合は、より注意が必要となります。例えば、同一エリアにある同一業種や同一規模の会社と照らし合わせて高額と判断されると否認の対象となる事もありますので、税理士や専門家に相談する必要があります。
税務否認されないためには合理的な説明ができる退職金額の根拠が必要で役員退職金規程の整備は不可欠です。
更に、実質的に退職している事実が必要で、みなし退職では否認されることとなります。退職金を支給する際には、非常勤役員等への登記変更、株主総会による退職金支払いの議決、議事録の作成が必要となります。
退職時には、役員報酬の50%以上の減額や非常勤役員等への登記変更なども併せて行う必要があります。
1億円を超すような高額な役員退職金となる場合は、より注意が必要となります。例えば、同一エリアにある同一業種や同一規模の会社と照らし合わせて高額と判断されると否認の対象となる事もありますので、税理士や専門家に相談する必要があります。
また、会社に負担をかけない退職金準備が必要になります。一度に高額の退職金を支払うことで赤字決算にしてしまう事は避けなければなりません。毎年の利益の中から全額損金や40%損金の生命保険を活用し、将来の退職金支払い時に解約返戻金(解約返戻金を益金として計上し、役員退職金支払いの損失と相殺)を受け取る役員退職金の準備をお勧めいたします。
以上の事前準備をする事で、税務上のメリットを最大限に享受することが出来ます。
しかし、事業承継を考えている経営者が自社社株対策や相続対策、更には、後継者以外のご子息に対する遺留分対策まで含めた問題を一人で解決するのは困難な事ですので、事業承継の専門家と相談し戦略的に資産の承継を考えて下さい。
しかし、事業承継を考えている経営者が自社社株対策や相続対策、更には、後継者以外のご子息に対する遺留分対策まで含めた問題を一人で解決するのは困難な事ですので、事業承継の専門家と相談し戦略的に資産の承継を考えて下さい。